先日趣味で書いているイラストをまとめた本、いわゆる同人誌を作りました。
せっかくなのでどんな感じで作って頒布したのか簡単にまとめておきたいと思います。
なお二次創作(漫画のキャラを描いたイラスト)です。中身のイラストは出てきませんが念のため。
概要
サイズ
実物の大きさはこんな感じです。(国語辞典は大きさ比較用、背後の薄白いものが今回のイラスト本)
個人的にイラストや写真集はサイズが大きいほどどっしり構えて読む↔︎小さいほど手軽に読めるといったイメージ。
サイズに迷った時は、どんなタイミングで読む本にしたいかを考えると良いのかも。
今回の本はかっちりしたイラストよりも落書きも含むゆるいイラストが多めで「ほ〜ん」程度の軽い感じに眺めてもらえたらいいな〜と思ってコンパクトなA5サイズにしました。
ちなみにモザイクありですが中身はこんな感じ。
印刷所
ちょ古っ都製本工房様に印刷していただきました。
https://www.chokotto.jp/
印刷所は部数・用紙・料金・納期などによって一概にここが良いとは言いづらいのですが、ちょ古っ都製本さんはシンプルにPDF入稿できるのがありがたいです。
今回はイラスト作成から入稿作業までクリスタ(Clip Studio PAINT PRO)というソフトを使用しました。
本当はClip Studio PAINT EXという一段階上のプランを使った方が原稿をまとめて管理できて便利なのですが、PROでもPDF入稿用データを作ることはできます。
用紙の設定
クリップスタジオの左上「ファイル」→「新規」で以下の画像の通りの設定にすればA5原稿サイズになります。裁ち切り線も表示されます。600dpiでも綺麗ですが、もっと綺麗な印刷にしたい場合は解像度をあげた方がいいかも。
入稿用データの作り方
iPad・クリスタPROでPDF入稿用データを作る方法はいくつかありますが、今回使用した方法を紹介します。
まずクリスタ左上「ファイル」→「画像を統合して書き出し」→「.png」を選択。
ここでトンボや基本枠の出力有無を設定できます。
(本当は印刷用画像はカラーをCMYKにすべきなのですが、今回はRGBで作ったのでRGBのまま進めちゃいました。本来はきちんとCMYKに変換してから保存した方が良いと思います)
製本用データフォルダを作って、そこにページ数をファイル名として画像ファイルを放り込んでいきます。
全部のデータを保存し終えたら、クリスタからフォルダアプリへ移動。
フォルダアプリにてpdf化したいデータを選択し、右下の「さらに表示」→「PDFを作成」を押すとPDFファイルが出来上がります。
iPadはPDFデータを作りやすくて便利ですね。
レイアウトと構成
肝心の内容であるイラストとその並び順についてはどうしたものかと迷いました。
小説や漫画なら物を載せるだけでまとまって見えるけど、イラストはそれぞれ個別に描いたものなので単に羅列しただけではバラバラな印象になりがち。
迫力のあるイラストならうまく魅せられれば流れを気にしなくても良いのかもですが自分の絵はスマホで見て「ほ〜んええやんけ」と感じられるかなレベルなので紙に印刷するとどうしても間の抜けた感じになってしまう。
こことここは見開きにしたいな、という程度のレイアウトは浮かんでも全体の流れが決まらない。
いろいろ調べてもイラスト集の構成についての情報はあまりなくて困っていたのですが、下記のインタビュー記事がわかりやすかったので引用させていただきます……。
イラスト集は1冊ごとにテーマを決めています。1冊見終わったときに「ああ、こういう本なんだ」っていうイメージを持ってもらえたらなと想像しながら作っています。
本の中身の話ですが、最初と最後、一番中間に自信作を載せるようにしています。導入は大事にして、中間の中だるみを回避。最後にデザート。みたいな感じです(笑) できる限り、読み手側の立場で、どういうものがいいかを考えるようにしています。
https://www.pixivision.net/ja/a/1099
この記事を読んで「なるほど〜!」とイラスト本にもコンセプトが必要なんだなと遅まきながら気づき、色々考えてみて、
- このイラスト本は読みながら原作漫画のことを思い出すような内容にしたいな〜
- なら原作の時系列に沿ったキャラ絵の並びにするのが良いかもな
- 章の初めはピリッとした感じ→だんだん緩いイラスト→章の切り替わりに再びピリッとしたイラストを配置したら緩急があって面白いかもな〜
みたいに配置が決まっていきました。
イラスト本の構成はまだまだ研究中ですが見開き以外にも対になるキーポイント(構図や絵柄、背景色の統一感など)を散りばめていくと個々のページがばらけず、本としてまとまりが良くなるのではと思います。
通販、梱包発送
梱包に使用したのは下記の通り。
- 厚紙ダンボール(百均)
- 梱包用テープ(百均)
- PP袋(百均)
- 購入感謝カード
- A5封筒
本・カードをPP袋に入れ、その両面を厚紙ダンボールで挟み、テープで軽く留めて封筒に入れました。
購入感謝カードは色画用紙を買ってきて、モノクロイラストを自宅のプリンターで印刷し、一枚一枚カットして作りました。
本当はおまけのステッカーやカレンダーを作りたくて道具も買ってたんですがその余裕はなく……。
ただ特に予告なくカードを同封したからか到着後にコメントなどで言及いただくことも多く、喜んでいただけて嬉しかったです。
通販
今回はwebイベントで頒布するために作成したので、boothにて通販受け付けました。
ありがたいことに注文がありいそいそと発送。
匿名配送を利用。発送の際は近所のヤマト運輸営業所まで持っていき、一つずつ伝票を貼りました。
一応まだ残っているけど、発送作業も少し手間なのでもう少ししたら通販は閉めて、別のイベントの時にちまちま頒布していく形にしようかな〜と考えています。
おわり
そんなこんなでクリスタでイラスト本を作ったよ覚え書きでした。
イラスト本を作るのは初めてだったのでどんなものかなと探り探りでしたが、普段は液晶越しに見ている絵が、紙となり手元にあるというのは良いですね。
今回は一ヶ月で20枚近く絵を描き下ろすという突貫スケジュールだったので誤字があったりもっと描きたい絵があったりと思うところはあるのですが、それでも今でも完成の余韻に浸って時々イラスト本をパラパラめくって眺めてます。
二次創作を作る理由ってその人やタイミングによってさまざまだと思うんですが、今回は本当に「この漫画大好き!」という気持ちだけで作ったからか心底満足。ありがとうございました。
CLIP STUDIO PAINT PROでのイラスト本の作り方やイラスト本の構成などなど自分も本作る際にすごく調べまくったので、このページも誰かの何かの参考になったら幸いです。