ドミノ(原題:Hypnotic)という映画を観てきました。
事前にチェックしていたFilmarksの評価が星3.4だったのであまり期待してなかったけど、実際に観ると期待よりはるかに楽しめました!
なんでこれダメなん、と思いながら上映後に再度レビューサイト見たら星3.5になっていて、ふふっとなりました。まあ映画好きにウケないのはちょっとわかるかも。
以下、内容に触れる感想をいくつか雑多に。ネタバレもあるので観てない人は注意してください。
上映始まってすぐに原題のHypnotic(ヒプノティック、催眠)がどどーんと出てきて、最後にもどどーんと出てくる。潔くて好感。
主演のベン・アフレックが「娘を誘拐された刑事」という役どころなんですが、あの悲しみを胸に押し込めたみたいな大男、って風情がとてもよかった。
昔、ベンアフ好きな人と知り合った時に「自分にはあまり魅力がわからないな」って思ったけど今回ドミノを見て「うわ〜!なるほどね!好き!」となった。
悲しみに暮れるベンアフからトボけるベンアフ、ドヤ顔ベンアフまで色んな姿を見られる。あと観客をベンアフ演じるダニーに寄り添わせる作りになっているので、感情移入しやすいタイプの人なら割と楽しめると思う。
娘を誘拐された(あるいは亡くした)父親、って洋画や洋ゲーで時々見かける境遇(?)のような気がする。
総じて辛くて悲しくて重苦しい感じの雰囲気だけどこの映画はそういう重苦しさと並行して初っ端からボスとの戦いが前面に出てくるので、良い意味でサクサク進んでよかった。
人間ドラマは主題ではなくてどっちかというとティーンエイジャー向けの本(超能力バトル)みたいだなーって思いました。中学生の頃そういうの好きだったので、この映画も私は好き。
心温まるヒューマンドラマとか刑事の悲しみの行き着く先は……とかそういうのを期待するとがっかりしちゃうかも。
「設定ばかりが語られてキャラクターについて語ってない。星2.3」みたいなレビューがあるのは、期待するところが違ってたためかなと思う。
苦悩に苛まれる人間らしさを味わうぞ、よりもアトラクションだと思って観てほしい。あ〜なるほどこういう系ね、うわ〜どうなるんだろ〜ドキドキみたいな軽いノリで観ると楽しいし、観終わった後にすっきりする。
設定面で言えば催眠の発動条件がよくわからない。せっかくドミノがアイテムとしてあるので、何か各々の愛着のある道具がキーポイントとかだったら面白かったかも。
どうも目力勝負に見えてしまう。
エンドロール前のシーンを観ても、力関係がいまいちわからない。
……確かに物語について語ろうとすると設定の粗か、ベン・アフレックがよかった!が主になってしまうので物語としての深みがないと言われると、そうかも。
でも面白かったし、私は楽しめました。うーん、うまく伝えづらい……。人間の苦悩を描いた物語ばかり観ていると疲れてしまうので、たまにはこういうライトな映画を観るのも良いと思う。マトリョーシカ構造の物語、使い古されたネタだけど何度見ても良いですよね。(ガッツリネタバレ)
途中のシーンで「シャッターアイランド」を連想したので、この父親、もしかして自分で娘を殺しているんじゃないかとヒヤヒヤした。予想が外れてよかった。
フラフラしながら脱衣するお姉さんとか、人間らしからぬ笑みを浮かべる受付の銀行員とか、互いを撃ち合う警察官とかそういう見どころがあったのもよかった。
ニックスちょろすぎじゃん…とか。
やっぱり洋ゲーみたいな感じがした。モブの命が軽い。
映像も見やすくてわかりやすかったし、「公共部門」みたいなトラック、娘と母親あんまり似てないな、とか違和感を抱くポイントも散りばめられてたし。
前半の重苦しさ、訳のわからなさなども迷路に迷ってる感覚があって面白かった。
90分というコンパクトな作品なのも良い。ジャンプの短期連載を読み切った時みたいな感覚。
エンドロールの音楽も個人的には好き。
でも続編はどうだろう、一発ネタみたいな感じがしないでもない。
総じて言うと私は好きだけど、映画に深みとか抒情とか求める人にはおすすめできないかもな〜という作品でした。
ライトノベルや洋ゲーみたいなノリが好きな人にはおすすめ。爆発や戦闘や逃亡もあるし。
改めてFilmarks眺めてても星1.3と星4.2が交互に流れてくる感じなので、気になってる人や暇つぶしをしたい人は軽い気持ちで観にいってはいかがでしょうか。私はとっても楽しめました。
以上、おわり。