ぽしゃ

いつか忘れた頃に読み返すための雑多な記録帳

フェリーの思い出

今日は朝からフェリーに乗って旅行中です。

日の出を見るぞ、と意気込んでいたのですが、船内でカップ麺を食べた後にふらふら歩いていたら見事に船酔いしてしまい少しの間ぼーっとしていました。

冬のフェリーの甲板は風が強くとても寒い。しかも風が強いので3階から5階へ階段を登ると吹き飛ばされそうで気持ちいいというより怖いくらいです。しかしそのおかげで船酔いも吹っ飛んでいくのでちょっとありがたい。

フェリーで海を見下ろした時も心地よさより怖い、という感情が先に来て足がすくむ。小学生のとき旅の土産を海の中に落としてしまったことがあって、フェリーに乗るといつもそれを思い出すからだと思う。

どうして落としたのかなんて理由はない。ただ海に浮かれて土産を手に持って手すりに近づいたらあっという間に落ちていってしまった。

めちゃくちゃ落ち込んだ。それまで楽しかった旅が一転して甲板からベッドに戻って呆然としながらなんとか海に落としたという出来事だけなかったことにならなかったかと祈ったけれど、当然時が戻ることはなく、ひたすらに自分の不注意を悔やんだ。ほろ苦い思い出です。

フェリー室内のテレビでは当時開催していたオリンピックで金メダルがどうとか放送していた。テレビの中の熱狂のすべてが他人事に感じた。

 

今週のお題「ほろ苦い思い出」

 

あの時落としたものがどんな色だったかはもう憶えていない。

けれど父が「きっとイルカさん達が落としたオカリナを吹いて楽しんでるよ」と言ってくれたことはしっかり覚えていて、当時は「子供騙しの慰めなんていらない」と思ったけど、今でも海を見下ろすたびどこかで自分が落としたオカリナを吹いているイルカがいるかもしれないな、なんて考えるのでつくづく親は偉大なものだと思う。