ぽしゃ

いつか忘れた頃に読み返すための雑多な記録帳

久しぶりにオールカラオケした話

ただいまオールカラオケから帰宅している最中です。

大学生の頃はよく徹夜でカラオケをしたものだけど、社会人になってからはほとんどしていなかった。

今日も本来は知人と夜ごはんを食べて解散する想定だったのだけど、知人の方がカラオケに行きたそうだったので行くことにした。

時間帯的にも日帰りできる感じじゃない。となると、朝5時までのカラオケコースか……となった。

正直、社会人、というか三十代間際にもなれば徹夜が賢くない選択であることくらいはわかっていて、学生時代のようにウェーイとは楽しめない。本音を言うと、自分の最寄駅ならまだしも、という感じ。(日頃の不摂生が祟って一度の徹夜で動悸吐き気命の危険を感じることもあるくらいなので)

でも相手が行きたいのなら行ってあげようかとなる関係なので、結局歌ってきました。

 

 

こうして分別を持ってしまった今、学生時代、あんなにもオールカラオケでわくわくしてた理由はなんだったんだろうと不思議に思う。

一人暮らしの部屋に帰りたくなかったのか、楽しい今日という日を延長したかったのか、常に心に付きまとう不安を紛らわせたかったのか。

どちらにせよ勢いのままオールしてカラオケした学生の私はいつも、すっきりするどころか眠気で半ば仲違いしかねないギスギスした雰囲気で知人と解散し、翌日の講義で眠気と必死に闘いながらミミズのような文字をノートに連ねつつ、深い後悔に苛まれるということを繰り返していた。

 

 

今回も午前3時を回ったあたりでアルコールが抜け、ぬるい眠気の影響か知人と若干ギスギスしたのだけど、なんとか会話から歌う方向に軌道修正し、5時になったら明るい雰囲気を保つよう心がけつつ、さっさと解散した。

この歳になって大きなショックがあったわけでもないのに睡眠リズムを崩してまで知人と遊ぶのはどうかという冷静な疑問は、マイクを握ってる最中でさえ頭の端にあった。

実際、午前3時のギスギスは相変わらず存在していたし、知人とのオールカラオケという行為が生み出すものはせいぜい健康リスクと生活リズムの乱れと、それによる来週の労働効率の低下ぐらいのものだと思う。

それでも、食事とアルコール摂取を終えた後でカラオケに(なかなか婉曲的に)誘ってきた知人は家を出る時には「今日はカラオケに行けるかも🎤」と淡い期待を抱えていただろうし、その期待を切り捨てたくはなかったからカラオケに行くと決めたのは自分自身でその点で相手を責める気はもちろん毛頭もない。当然のことだけど。

でもここだけの話、学生時代のようにオールカラオケというものに過度な期待を抱くことも無くなってしまったのも事実。

今はもう、休日はぐっすり休むことを目的としていて、夜更かしに罪悪感を、早起きに希望を感じるようになってしまったのでオールカラオケなど愚行としか思えない。

 

 

しかし電車を降りた後、徹夜明けのぼんやりした顔で浴びる秋の冷たい風は存外心地よくて、怠い足を前へ前へと動かしていると、久しぶりに自分は生きているんだなという実感さえ得られた。普段はずっと自分がここにいないような感覚があるので、個人的にこの実感は貴重なものに感じる。

眠気はあるけれど前日の遅起きのおかげか辛いというほどでもなく、学生時代と比べると後悔が少ないことに気づいた。これが夏だったら汗まみれでうんざりしていたと思うので季節の関係も大きいのだけど。

ともかく今も学生時代もオールカラオケという行為自体はそこまで悪いものではなくて、それによって何かを解決しようとして不発に終わっていたことがモヤモヤを生み出していたんだな、と今更ながら腑に落ちた。

 

今の自分にも悩みはたくさんあるけれど、それらは知人とのオールカラオケで解決する類のものではないと知っているし、強いてそれで紛らわせなければいけないほど重荷にはなっていない。だからオールカラオケなんて久しくやっていなかった。これからもしばらくやることはないと思う。私はなんだかんだ好きな曲は歌うより聴く方が好きなタイプだし、歌いたい(というか声を出してストレス発散したい)気持ちになったら人を誘わず一人でカラオケに直行するタイプなので。

でも今回のオールカラオケのおかげで、学生時代のせっかく盛り上がった雰囲気をオールカラオケで寝不足疲労困憊ギスギスした雰囲気で終わらせてしまうという苦々しい経験を少しだけ払拭できたような気もして、それは悪いことではなかったな、と思いました。

随分不満じみたことを書いてしまったものの、たくさん歌ったのは楽しかったですし、それに知人の「歌いたい」という気持ちが叶えられたのならそれが一番だなとも思います。

今回のオールカラオケは結論だけ言うと「この歳になると徹夜は辛いですが、久しぶりに浴びる徹夜明けの秋風は気持ちいいですね」です。

 

 

 

とりあえず家に着いたので私は暖かな布団に入って寝ます。寝て起きたら穏やかで楽しい日曜日を過ごせますように。

おやすみなさい。