上手にやり過ごす方法より確かな言葉を探しているけれど

社会人になってから数年が経って、何をせずとも時間が過ぎていく感覚がすっかり当たり前になってしまったけれど、そうなる前もそうなった後もずーっと無性に焦っている。

私は結婚してなくて、結婚する予定もなくて、あこがれもなくて、大人として次のステップに進むには転職や昇進がわかりやすいのだけど、それもなんだかなあと思いながら定期的に転職サイトを覗くばかりで、うーんと唸ってる。

先輩の家庭の話を聞いて微笑ましさはあっても羨ましさはないし、後輩の彼女の話も楽しいけれど遠い世界の話だなあと思って聞いている。

前進するばかりが人生ではないって知ってるし、行きたい場所があるわけでもないのにステップアップっていうわかりやすさを人生に求めてしまう。

人生は難しい……。月末の忙しい時期になると毎月こんなことを考えてる……。

退職者一覧に見覚えのある名前が混じっていると毎度寂しくなってしまう。この人は対応早くて助かったのにな、とか、この人にはこの仕事は合わなかったのかな、とか。在宅のご時世なので顔を見たこともない人たちばかりなのだけど。

退職関連書類の端にある見覚えのない筆致の、なんとなく見覚えのある氏名に、彼・彼女の仕事を辞めるという決断やそこに至るまでの葛藤について想像してしまう。家庭の事情とか、結婚とか色々あるはずだけど、私はそういった情報を受け取る立場ではないので、余計に想像力豊かにその誰かのことを考えてしまう。

そうすることによって何も決断せず、何も選び取らず、御託を並べて過ごす自分の人生を紛らわせようとしてしまう。

今の仕事を続けているのは自分自身の選択だと言い切ってしまえればすっきりするのかもしれないけど、そこまで納得してるわけでも覚悟を決めてるわけでもなくて、覚悟を決めたいわけでもなくて。ただすっきりしたい。さっぱりしたい。

おそらく全て捨ててしまえばその願望を叶えられるのだと思うけど（というか、実際叶えられたのだけど）、それは現在のぬるい安心感と引き換えになるだろうし、そうしたら今度は安心感を得たいと言い出すに決まっている。常に足りないものを得るために生きているつもりなのに、どこへ行っても満たされることがない気がする。足るを知るというけど、足りないものは足りないのだ。

そんなことを考えて今日も布団の上でのたうち回っている……。

とはいえ。

こんな思考になる時は疲れか寝不足か空腹か、あるいは体調不良が原因（つまり休養が必要）だとわかってる。

たまーにこういうひずみで大きな失敗をしがちなので気をつけたいと思う。昨年はそれで泥酔して真冬の深夜2時の交番にお世話になったので。一昨年も大きめの失敗を……とにかく今年こそは秋を無事乗り越えたい。

ずっと昔、子供の頃、答えのない苦しみを勇気を持って大人に相談した時に「わかるわかる。大人になったら解決するよ」って断言されたことがあって、解決するわけがあるか、って思ったのを引きずっている。いや、確かに大人になればその苦しみがどういうことだったのか構造を捉え直すことはできるし、今はその大人なりの慰めだったとわかるけど。

ああ、この人にとって私の苦しみは「幼さ」でしかないんだな、この苦しみが形作る私そのものも「幼さ」でしかなくて将来消え去ると思ってるんだな、と感じて絶望してしまったんだって思う。その思考そのものが幼さといえばその通りなんだけど、幼いからといってそれが抱える苦しみが軽んじられて良い理由にはならないと今でも思うんですよね。未熟だなあと思うのはあっても。軽んじるつもりがなかったとしても。将来解決することは今の苦しみに関係ない。将来なんて今ここには存在しないのだから。自分は今ここにいるのに、今ここにしかいられないのに、この苦しみは今ここにあるのに、十年後の話なんかしてないのに。私の苦しみが十年後にどうなるかなんて決めつけられる筋合いはないのに。

話さなければよかった、と思ったのを覚えてる。

今日は職場の飲み会がありまして、久々に多人数でお酒を飲んだんです。それはまあいいんですが、仕事後にアルコールが入るとそれまで積み上げてきた日常がリセットされる感じがあって、毎度慣れない。良い方に作用することもまれにあるけれど、大概数日ひきずるので飲み会はない方が嬉しい。でもお酒飲んでわいわいできた日は楽しい。なかなか割り切れない。

とりあえず明日二日酔いにならないようにと麦茶を買ってきて飲んでます。お酒を飲んだ後のお冷もいいですが、ペットボトルの麦茶もなかなか美味しくて好きです。