ぽしゃ

いつか忘れた頃に読み返すための雑多な記録帳

幼い頃に通い詰めていたキッパの話

懐かしいものの話をしても良いと聞いて……。

かつて存在した、キッパというサイトの話をしたい。というより記憶が残っている内に多少の情報を残しておきたいのでここに書いておきます。

 

キッパの正式名称は「キッズパーク ハート」。

キッズパークという名の通り、小中学生を対象とした交流サイトのようなものです。

イラストを描いたり、掲示板で会話をしたり、Yahoo知恵袋みたいに質問したり回答したり、といったことができる場所でした。

自分がよく通っていたのは小学生のころ、今から20年くらい前(!)なので2004年~2007年ごろ。調べたところによると2018年ごろまでサイトが残っていたもののその後アクセスできなくなった模様。今はもう存在しないサイトです。

URL:http://kippa.info/

インターネットアーカイブスクリーンショットより)

サイトの管理人は「はるネコ」さんで、個人で運営されていた感じでした。

使える機能は通常の掲示板、お絵かき掲示板、チャットといったメジャーなものから、日記・物語・詩などの作品発表系、私書箱というメール機能、足跡機能、月替わりのコンテストなどさまざま。

2000年代初頭に個人でこれだけの多機能のサイトを運営していたのはすごい。サーバ管理とか大変だっただろうな……。

最盛期はかなり賑わっており、各機能ごとに有名な人がいました(絵がうまい人、掲示板でしょっちゅう見かける人、などなど……)

 

IDは登録した順番に数字が払い出されるタイプで、確か最後に利用していた頃に見たのが3万台だったので、最盛期には多分アクティブユーザー数百~数千いたんじゃないかな……。

 

 

こんな機能がありました、というのをいくつか。

  • お友達リスト:通称「友リス」、プロフィールカード付アカウント機能みたいなもの。名前・誕生日・好きなもの嫌いなものを登録するとIDが払い出されてキッパのいろいろな機能を使えるようになる(メールアドレス登録不要なのでサブアカウント作り放題だった)。自分が描いたイラストや他の人が描いたイラストをアイコンに設定できるほか、掲示板での発言回数やミュージアムに投稿したイラストなどがIDで紐づけられているので、活動が活発な人がすぐにわかる。あとIDの数字が少ないと古株でちょっとえらい、みたいな雰囲気があった。
  • キッつぶ(ツイッター):ほぼTwitterみたいなもの。あとから追加された機能で自分はあまり利用していなかった。
  • 足跡:一日1回呟きを残しておける場所。一番最初に足跡を残せるとちょっと優越感があった。
  • お絵描きコンテスト:月に一度、応募されたイラストの中から投票式で大賞を決める場所。たしか普通の大賞のほかに「かわいいで賞」「かっこいいで賞」みたいなものもあった。
  • お絵描きミュージアム:しぃぺいんたーを利用したお絵かき掲示板の集合体みたいなところ。ジャンル別にお絵かき掲示板がたくさんあった。確か「お祝いイラスト」「アイコンイラスト」「じっくりお絵描き」とかそんな感じでジャンル分けされていた。この掲示板で描かれたイラストは友リスに登録したアカウントのアイコンにできた。誰でも利用できるフリーアイコンのほか、「〇〇s専用アカウント」みたいな設定もできた(〇〇sは「〇〇さん/さま」という意味)。有名な人が何人かいて私も憧れの人に専用アイコンを描いてもらいました……コメントがたくさんある(人気の)イラストはページトップに飾ってあった。その時の流行りのジャンル(初音ミクとか、家庭教師ヒットマンREBORN!とか、タイバニとか)のイラストがよく飾ってあった記憶がある。
  • 長編!お絵描きコミック:イラストを投稿できるブログみたいなもの。主に漫画用。常にトップに君臨しているコミックがあった記憶……。
  • 長編!お絵描き・増刊号:コミックと同じくイラストを投稿できるブログ形式。コミックと違って「増刊号」は漫画以外のイラストも投稿可能。自分の絵を一つの場所にまとめておけたので結構人気だった。しぃぺいんたーのほか、SAIやクリスタなどのイラストソフトで作成した画像も投稿できた。また他のアカウントと共同で運営できた(なので友達と一緒に増刊号を作ってイラストを投稿し合ったりすることができた)。SAIやPhotoshopを使ってごりごり加工したイラストを投稿する人もおり、多分年齢層はちょっと高めだった。
  • そのほか、掲示板は基本的なものが2つ、他にも生徒会・子供クラブ・広場/ワールド・チャット・私書箱トークなどなどとにかく人と会話して楽しめる場所がたくさんあった。

ほかにもはっきりと明示されてないけど知る人ぞ知る機能・サービスもありました。

例えば掲示板の発言回数が一定以上になると管理人のはるネコさんに専用掲示板(自分が管理人になって運営できる掲示板)を作成してもらうことができる、など。自分も作ってもらった記憶がある。

あるいはサイト内にリンクが存在せず、Google検索からしか行けない「ひみつのチャット2」があったり。チャットに自動応答Bot乙葉)が存在しており、自分以外に誰も部屋にいないときに会話することもできたり。

ほかに思い出深いことといえは2ちゃんねるから大人が乗り込んで来たりとか……。

IPアドレスによるアク禁(アクセス禁止)にされるのを何より恐れていたり……。

 

語り出すととめどなくなってしまう。

恥ずかしい思い出もたくさんありますが、もう存在しないサイトなのでそれよりも感傷や郷愁の念が勝る…秘密基地みたいな場所でした。

あの頃何度か話した人(もうあまり名前も覚えていないけど)とか、憧れの人とか管理人さんとかみんな元気かな~ということを時々考えたりします。

ここ最近インターネットの仕組みや歴史の勉強をしていて楽しいのは、キッパを利用していた当時になんとなく「すごいなあ」「どうやって運営しているのかなあ」と漠然と不思議に思っていたことが知識や理屈として理解できるから、というのもあるのかもしれない。あの頃、ネットの向こう側・キッパの裏側に存在していただろうことについて学び直している、みたいな。

 

 

ちなみにインターネットアーカイブhttps://web.archive.org/)を使えば当時の一部ページが見られます。

 

今週のお題「懐かしいもの」

 

キッパには2~3年くらいいました。ネット上で人と交流したのも、ペンタブを買ったのもキッパがきっかけだったくらい、思い出深いです。

離れたきっかけは単なる飽きだったような気もするし、なんとなく新参者(といってもせいぜい3~4歳差)と気が合わなかったとか、中学校で部活に入ったとかそんな理由だったと思います。

当時はキッパのほかに面白フラッシュ倉庫とかフリーゲームもじぴったんのお試し版とか)で遊んでました。周囲のコミュニケーション好きなタイプは「ニコッとタウン」「アメーバピグ」などで遊んでいる子も多かったです。

今ちらっと調べたらニコッとタウンは今もサービスが存在していて、昨年で15周年だったそうです。

www.nicotto.jp

懐かしい以上に現役ということがすごい。

堅実に運営している運営会社と継続ユーザの皆様に感謝……。

(パスワード再発行してみようとしたら自分のアドレスでは登録されてないと出た。どこかのタイミングでアカウント削除されたのかも。久しぶりに登録してみても楽しそう)

 

 

キッパの中で自分が一番最初に利用した機能は「物語」でした。小説を書くサイトがないかとGoogle検索をしているときにたまたま引っ掛かったのがきっかけで、実際、同級生と一緒につたないホラー小説とかをいくつか書いて投稿した記憶がある。懐かしい……。子供のためのキッパといいつつ実際は大人も紛れ込んでいたとは思うのですが、学校から帰ってきたら一日30分の制限付きでPCにログインするあの瞬間、掲示板をチェックし、スレッドを建てて「タメおkですか?」「どこ住みですか?」みたいな会話をしつつ、人気のアイコンをゲットするために虎視眈々と画面にはりついていたあの時間はくだらないけれど一生懸命だったな……としみじみ思います。幼い日の思い出です。